キャンディーの色は赤。

昔、若くて
とてもとても美しい男の子が近くに居た


手足が長くて、白くて
薄い色の瞳と長い睫毛、と対照的に
歯は矯正器具で拘束されていたのが
なんとも色っぽくて


その子は私に
「お風呂入るから見てて」と言い
その時間だけ呼び出された


これといった会話もせず
その子が濡れていく様を、ただただ眺めていた



という何年か前のことを
これを読んで、ふと思い出しました


ナナナンキリコ、大好きだったのに

今の私は
詩集のようなこの本が必要ないほど
大人になっておりました